東京オペラの森 ミュージアム・コンサート 「バロックの響き」
プログラム
ヘンデル:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ 第4番 ニ長調
ヘンデル:オペラ『リナルド』より「私を泣かせてください」
他のどんな曲よりも、思い入れのあるこの曲。歌で聴くだけでもぐっと来るのに、このヴァイオリン演奏は声よりも、声らしかった。
ヘンデル:オペラ『セルセ』より「オン・ブラ・マイ・フ(樹木の陰で)」
フォルクレ:組曲 第5番 ハ短調より [チェンバロ独奏]
J.M.ルクレール:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ イ長調(Op.9-4)
チェンバロって、いろいろと遊べる楽器かもしれない。編曲とか即興とか、そういうことになるのかもしれないけれど、昔の、まだ音楽が教会のためにあった頃のことが頭に浮かんだ。お二人とも”ノッて”くるにしたがって装飾音が増えてくるような。
本当はそんなことないのだろうけれど、そう思わせるほど楽しい演奏だったし、楽しい曲だったし、楽しそうに演奏していらした。
モーツァルト:ヴァイオリン伴奏付きチェンバロソナタ ニ長調(KV7)
なんということだ。ケッヘル番号が一桁とは。中野さんが解説してくださったが、これはモーツァルトが8才の時の作品、”伴奏”であるヴァイオリン部分は父、レオポルトの作だそう。
「ヴァイオリンが伴奏、ヴァイオリンが伴奏」そう言い聞かせてみても、聴くのは難しい。目を閉じて聴いてみると、かろうじてチェンバロ高音がメロディー、ヴァイオリンがそれに合わせて、チェンバロ低音が伴奏、そんな感じ。
J.S.バッハ:ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ 第4番 ハ短調(BWV1017)
これまた、思い入れのある曲。レッスンにあまり通えなくなってから、どうしてもこの曲を人前で弾きたくていろいろ勉強した。先生に見ていただけなかったけれど、結構満足して弾けた曲。1楽章と4楽章だけだけれどね。
川田さんも、この曲が好きだと言っておられた。私は特に1楽章が難しいけれど、好きだ。ゆっくりと、それこそ気が遠くなりそうなほどの時間、でも音はしっかりとそこに存在している。時は流れている。
「私だったら、こんな風に弾きたい」そのとおりに、川田さんは演奏する。
そういえば「ハ短調が好きな人は性格も・・・(ハタン)」と言った友人がいたっけなぁ。
アンコール
J.S.バッハ:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ 第1番より 3楽章
当然知っている曲かと思いきや、聴いたこともなかった。バッハ、勉強しよう。
ヴェルディ:ヴァイオリンのためのワルツ [本邦初演](ほんと?)
東京オペラの森、今年のテーマがヴェルディだということで。ヴェルディがオペラに挿入する小作品が、好きだ。この曲も、そんなひとつに使われていそう。
私は川田さんの演奏でわりとかちっとした曲(モーツァルトとかバッハとか)を聴くのが好きだが、やっぱりこういうロマンティックな作品には、強い。聴く方は、理屈抜きに、とろけて(?)しまうから。
そのほか
今日は、風が強かった。このコンサートに来た人は99パーセント、言うだろう。「風が強かった」と。屋内コンサートにもかかわらず、風で木々ががたがたいうのがうるさく演奏も聞こえなかったほど。
演奏者は、本当に集中するのが大変だったと思う。そんな中でも、表情をくるくると変えながら楽しそうに弾く川田さんの姿を再発見した。
そうそう、今日はもしかしてバロックバイオリンかな〜? とほんの少し思っていた、が、ご自分の楽器、でも、弦などでバロックらしく、やわらかい音を出す工夫をされていたそう。
私は指なんぞを拝見しながら「ずいぶんハイポジションで、ということは低い弦で弾いているな〜」と思っていた。それも、音をやわらかく出す工夫のひとつなのだろうか。
お疲れのところ、押しかけてごめんなさい。これからも、可能なかぎり追いかけます(宮崎は、ちょっと無理だけど・・・^^;)。
ヴァイオリンも、また弾くようにします。バッハの事など、真剣に話をしてくださって、ありがとうございました。
応援しています♪